導入事例

PERSOL PERSOL

パーソルホールディングス株式会社

グループ横断の連携施策
アプリとのAPI連携によって営業支援&シナジーを創出

設立2008年(平成20年)10月1日
従業員数67,274名(2023年3月31日時点)

1973年の創業以来、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、再就職支援など総合人材サービスを展開。2008年10月に共同持株会社テンプホールディングス株式会社を設立。2017年7月よりパーソルホールディングス株式会社へ社名を変更。グループ会社数は、国内:37社、海外:98社の計135社(2023年7月1日時点)

グループデジタル変革推進本部 
ビジネスITアーキテクト部
セールス&マーケBITA室 
リードコンサルタント
坂本 和優 氏

グループ営業本部 営業企画部セールスシナジー戦略室
村上 真里奈 氏

グループ営業本部 営業企画部セールスシナジー戦略室
高野 暁子 氏

デジタルテクノロジーの活用による業務効率化や生産性の向上が叫ばれる中、パーソルホールディングス(以下、パーソルHD)は中長期戦略方針として「2030年に向けた価値創造ストーリー」を発表。グループビジョン「はたらいて、笑おう。」の実現に向け、『テクノロジードリブンの人材サービス企業』への進化を目指し、グループ全社でイノベーションとデジタル戦略に力を入れています。

事業成長エンジンの一つとして捉える「テクノロジー」の推進を担うのが、グループ全体で使われているアプリ開発・運用や、コーポレート領域のデータ利活用の推進やデータマネジメント支援を担当するグループデジタル変革推進本部です。テクノロジー戦略の一つである「社員のはたらく体験の良化」では、デジタル化によって不便の解消と生産性の向上に取り組み、効率的な営業活動を支援しています。デジタル時代の新しい営業アプローチを可能にするのが独自のWebアプリケーションで、効率的な情報収集とグループ間の連携によるシナジー創出に日本経済新聞社が提供するビジネスのコンテンツを活用しているそうです。

日本経済新聞社のソリューション導入の背景・課題

営業力の底上げを目的としてグループ全社の営業活動を支援

坂本氏:

パーソルグループは総合人材サービス企業として、人と組織に関する課題を解決するあらゆるソリューションを提供しています。中でもパーソルHDは、それに関するグループ各社へのさまざまな支援を行っており、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも積極的に取り組んでいます。私が所属するグループデジタル変革推進本部は、パーソルグループ全体で使われるアプリケーションの開発などを通して、グループ社員の業務をより便利にすること。そして、より良いデジタル体験が得られるようにしていくことを目的とした部門です。

サービスを利用するお客様だけでなく社員が使用するシステムの企画、開発、運用や、コーポレート領域でのデータ利活用の推進、データ利活用を進めていくために必要なルール整備やレビュープロセスの運用なども担っています。

坂本 和優 氏

グループデジタル変革推進本部ビジネスITアーキテクト部
セールス&マーケBITA室リードコンサルタント

坂本 和優

高野氏:

グループ全体の規模がとても大きくなった今、パーソルグループの強みとして「ONEPERSOL」の考えをより促進していくにあたり、「営業の生産性向上」そして「グループ会社間の連携強化」が大きなテーマでした。

そこで、各社の対応案件数の最大化を実現させるため、ホールディングスが中心となりパーソルグループ各社の営業活動を支援することになりました。デジタルテクノロジーを活用して業務効率を上げつつ、グループ連携を促進することを目指した取り組みの一環として、2021年の11月に営業向けのアプリケーション“Genie(ジーニー)”(以下Genie)をリリースしました。

村上氏:

営業活動の効率アップに向けた取り組みとして、一般的には大手ITベンダーが提供するSFA(営業支援システム)の導入が思い浮かびますが、パーソルHDでは独自の営業向けアプリケーションを開発しました。外部サービスではさまざまな仕様や制限がありますが、自社でアプリケーションを開発することで、それまで縦割りだったグループ会社の営業活動を横展開して連携し、新たなシナジーを生みたいという想いに沿うよう独自でカスタマイズできるシステムを構築したという背景があります。

坂本氏:

各社の営業担当へヒアリングしたところ、顧客との商談やコミュニケーションに向けた情報収集や分析に時間がかかり苦労していることがわかりました。各自が担当する顧客先の異動・昇進などの人事情報はもちろん、ニュースや業界情報、さらには競合他社の動向といったさまざまな情報ソースをイチから探してチェックするのは大変です。さらに、情報収集に充てる時間にも限りがあり、顧客分析に必要な情報の質やレベルにも差が出てしまっていました。

このような営業担当ごとのリソース不足、情報収集のアンテナや処理能力にバラつきがあるといった問題をどう解決するか悩んでいたところ、“Genie”と外部のビジネス情報をAPI連携して活用することで、リサーチ業務の手間を効率化し、かつ得られる情報の質を担保できるのではと考えました。

営業活動や商談時のプレゼンに必要な情報を効率良く集められる方法として、各社のサービスをリサーチする中で、日本経済新聞社の法人向けソリューションを知りました。

日本経済新聞社と言えば、企業経営・経済・社会のあらゆる情報を扱う日本のトップメディアの一つです。その膨大な情報網から知りたい情報をピックアップし、“Genie”と組み合わせて活用できるAPIサービスはとても魅力的に感じました。

高野氏:

機能開発側の視点で言うと“Genie”との連携もスムーズに実装できそうだということも、決め手の一つでした。“Genie”はユーザーの声からニーズに応える機能を追加・改善するカスタマイズが前提です。API接続によるシステム連携の仕様について日本経済新聞社の担当者に事前に確認したところ、「アプリ上で企業情報をこう見せたい」というこちらの要望にも柔軟に対応いただき、大変助かりました。

坂本氏:

「日経 業界分析レポート」を拝見し、内容が充実している点に驚きました。業界概要を網羅的にまとめたレポートは20数ページにもおよんでいます。また、先読み営業を視野に入れた「人事情報」は、取引先のキーパーソンの異動情報をスピーディにキャッチできるだけでなく、役職層のプロフィール情報も収録されているため、顧客との良好な関係性の構築や会話の糸口に最適だと感じました。

このように一元的に情報収集できるように“Genie”とAPI連携できるのが魅力だと感じたのが、導入のきっかけです。また、サービスを導入したことで業務効率化につながったという事例記事を読み、導入後のイメージができたことも決め手となりました。

高野 暁子 氏

グループ営業本部 営業企画部セールスシナジー戦略室

高野 暁子

具体的な活用例・成果

迅速な情報収集によってアプローチ先が広まり、商談の質が向上

村上氏:

基本的には、API連携により“Genie”を通じて営業活動に必要な情報を提供しています。現在、営業担当者はグループ全体で約5000人おりますが、その約半数が活用しています。情報収集に費やす時間の短縮はもちろん、業界分析レポートから得た知識を顧客先とのコミュニケーションで使うことで距離がグッと近くなり、「よく調べてきていますね」とお客様から良い反応をいただくなど信頼関係の構築に活用できていると聞いています。また、活用後に商談につながる確率が3割ほど上がったという声もあります。

高野氏:

営業活動において、顧客情報の入念な下調べは不可欠です。これまではさまざまなチャネルに広がっている膨大な情報をゼロから調べていたわけですが、日経のビジネス情報をAPI連携することにより、成果に直結する情報をすばやく、効率良く収集できるようになりました。また、日本経済新聞の記事やニュース、業界分析レポートをもとに、想定していたアプローチ先だけでなくパーソルグループ内各社の他部署へコンタクトを取ってみたり、同業他社まで営業範囲を広げたりするなど、アプローチの検討先も広がっているようです。効率良く情報を集められる環境を作り上げたことで、顧客先との関係性構築や新規ニーズの獲得、サービス利用の契約 につながっていると思います。

坂本氏:

日々忙しい営業担当者が少しでも入力や閲覧を面倒に感じると、なかなか使ってもらえません。「はやい、かしこい、たのしい」がコンセプトの“Genie”は、画面デザインや操作性はシンプルさを追求し、現場の社員が使いやすいインターフェースを目指して設計されました。

Genie管理画面イメージ Genie管理画面イメージ

text__icon営業向けアプリケーション“Genie”管理画面イメージ

トップページ上部には「業界レポート」「企業検索」「トピックス」メニューなどがあり、見たい情報にすぐにアクセスできるインターフェースです。企業検索画面から各企業情報の詳細ページを開き、企業概要、組織図、人物プロフィール情報、関連記事を閲覧できます。日本経済新聞社が提供する新聞記事や人事情報を網羅し、欲しい情報を瞬時に閲覧・精査することも可能。独自に開発した名刺管理システムと紐づけることで組織図も適宜更新され、アプローチ先の企業情報をスムーズに探せる仕様にもなっています。

今後の展望

激変する市場の中、事業成長を加速させるカギは情報取得のスピードと選択

坂本氏:

“Genie”は、前中期経営計画で掲げたグループ重点戦略の一つ「テクノロジーを武器にする」を体現するアプリケーションです。グループ各社を横断し、さらには一体となったセールスを行い、売上増加を実現するための取り組みと言えるでしょう。実運用を経て、定着するまではもう少し時間がかかりそうですが、より多くの営業担当者に活用してもらうため、グループの営業担当社員に向けて、Genieの活用方法などについてのセミナーを開催したり、メルマガを配信したりして、利用を促しています。

高野氏:

「こんな機能を作ったので、利用してください」というアナウンスだけでは弱い。実際に現場で営業活動をするみなさんに、「これは使えるツールだ」と認知してもらうことが重要だと考えます。例えば、お気に入り登録したアプローチ先の企業の関連情報が更新されたら、こちらからプッシュ通知してスピーディな情報取得につなげるなど、ユーザーごとにパーソナライズした情報提供を検討する必要もあるでしょう。

村上氏:

実際に活用してもらった社員から多くのフィードバックをいただいていますので、そういった声を今後の運用につなげたいですね。大手企業の経営層などと商談が多い担当者にとっては、人事情報の活用も一つの武器になるでしょう。人事情報を有効活用することで、これまでアプローチできていなかった企業先へのアポイントも増加するかもしれません。

また、私個人としては、以前に営業を担当していた立場から“Genie”をもっと活用してほしいと思っています。「たのしい」をコンセプトに掲げた営業支援システムって他にはないですよね。営業担当者がもっと「たのしく」利用できるよう、膨大なデータを扱う基盤構築にも力を入れていきたいです。それによって日本経済新聞社のビジネス情報を活用する場面も増え、ますます「はやい・かしこい・たのしい」ツールになると思います。

村上真里奈 氏

グループ営業本部 営業企画部セールスシナジー戦略室

村上真里奈

坂本氏:

日本経済新聞社のビジネス情報は、営業活動だけでなく、例えば新規事業の立案、ウェルビーイング経営の取り組み、デジタルマーケティング活動などにおいて、競合他社を分析して企画に盛り込んだり戦略を考案したりする際など、活用の幅は広いと思います。

デジタル変革により企業成長が求められる昨今、情報取得のスピードと選択がカギを握るのではないでしょうか。DX推進に取り組む企業も増えてきていると思いますが、テクノロジーを活用して経営に必要な情報を効率良く得られるサービスは、事業成長を加速させると実感しています。パーソルグループも、テクノロジードリブンの人材サービス企業として、営業向けアプリケーションの活用を最大化し、グループ全体が抱える課題の解決に尽力していきたいと思います。

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