慶応大の琴坂教授に聞く VUCA時代における情報戦略
不確実な時代を切り拓くVUCAを「勝機」に変える情報戦略

「一度築き上げた競争優位に長く安住できない時代」――慶應義塾大学総合政策学部の琴坂将広教授(経営学)はVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)時代の本質を、こう表現する。
ネットの普及とSNSなどの拡大で目にする情報量が爆発的に膨らむ時代。企業が直面する最大の課題は、「正しい情報」を見極め、「信頼できる情報」をいち早く手に入れること。しかし琴坂氏は問う。「その情報を適切な形で見られているのか。見ている情報が、果たして自分が見るべき情報として正しいのか」――。
自ら起業を経験し、マッキンゼー・アンド・カンパニーで世界9カ国の経営戦略策定に携わり、オックスフォード大学で経営学博士号を取得。現在は複数の上場企業で社外取締役を務めながら、スタートアップ研究の第一人者としても活躍する琴坂氏に、変化を先読みする「情報戦略」を聞いた。
コンテンツ
- - 従来の戦略策定手法はVUCA時代に通用しない
- - 企業に根付く認知バイアスは武器にもリスクにもなる
- - 信頼できる情報を確実に手に入れるには?
- - 不確実性を味方につけ、ビジネス機会を変える経営者

慶應義塾大学総合政策学部 教授
琴坂将広氏
慶應義塾大学総合政策学部教授。慶應義塾大学環境情報学部卒業。
博士(経営学・オックスフォード大学)。小売・ITの領域における3社の起業を経験後、マッキンゼー・アンド・カンパニーの東京およびフランクフルト支社に勤務。北欧、西欧、中東、アジアの9カ国において新規事業、経営戦略策定にかかわる。同社退職後、オックスフォード大学サイードビジネススクール、立命館大学経営学部を経て、2016年より慶應義塾大学総合政策学部准教授、2025年より教授。東京大学社会科学研究所客員研究員、フランス国立社会科学高等研究院アソシエイトフェロー、一橋ビジネススクール特任准教授等を歴任。上場企業を含む数社の社外役員・顧問、及びオックスフォード大学サィードビジネススクールのアソシエイトフェローを兼務。専門は、経営戦略、国際経営、および、制度と組織の関係。