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近年、反社会的勢力の排除や不芳情報(ネガティブニュース)の確認など、国内取引先のコンプライアンスチェックは多くの企業で浸透してきました。一方で、ビジネスのグローバル化やサプライチェーンの複雑化により、海外取引先のチェックに課題を感じる企業は増えています。
ここで押さえたいのは、日本で一般的なコンプライアンスチェックの考え方を、そのまま海外取引先に当てはめることはできないという点です。
本コラムでは、海外コンプライアンスチェックを「自社に関係する法規制」と「相手先の類型」から整理する実務の進め方を解説します。
国内のチェックをそのまま海外に当てはめられない理由
日本では、暴力団排除条例など日本固有の制度・規制を背景にコンプライアンスチェックが行われていますが、海外では前提となる法規制が異なります。そのため、海外コンプライアンスチェックでは、自社がどの国・どの法規制に従う必要があるのかを起点に、取引先リスクを確認することが重要です。
ここで「海外」とひとまとめにするのではなく、まずは以下を整理する必要があります。
- どこの国・地域と取引しているのか
- どの法規制が自社に関係するのか
- 関係する法規制で求められていることはなにか
- 自社の取引や事業活動に、どのような影響があるのか
重点的に確認すべき法規制の類型
もっとも、あらゆる法規制を追う必要があるわけではありません。実務上、海外取引先のコンプライアンスチェックで重点的に確認すべき領域はある程度整理でき、主なものとしては以下が挙げられます。
- 経済制裁
- 輸出管理規制
- マネーロンダリング規制
- 海外贈収賄規制
- サプライチェーン管理における人権問題
相手先の類型によって見るべきリスクは異なる
次に重要なのが、相手先の類型によって見るべきリスクが異なるという点です。たとえば、以下のように整理できます。
| 相手先の類型 | 重点的に確認すべきリスク |
|---|---|
| 販売先 | マネーロンダリング、制裁、輸出管理 |
| 代理店・仲介者・コンサルタント | 贈収賄 |
| 調達先・サプライヤー | 人権、輸出入規制、制裁 |
| 物流・通関業者 | 贈収賄、輸出管理、制裁 |
このように、相手先の類型と法規制リスクを整理することで、海外コンプライアンスチェックは「国内取引の延長作業」ではなく、自社に関係する法規制と取引相手をマッピングして判断する業務として進めやすくなります。
海外コンプライアンスチェックの本質は、取引相手の法令上・コンプライアンス上のリスクを把握し、自社の責任や違反リスクにつながるかを見極めることです。
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どの法規制を意識し、どの相手にどのリスクがあり得るのか、その整理と判断を支える基盤として活用できます。
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