グループのコンプライアンス意識向上と業務統一化に貢献

グループのコンプライアンス意識向上と業務統一化に貢献

ヤマエ久野株式会社 経営企画部
部長 谷昭彦様
中島啓之様 河野大志様

2020 年 3 月に東証一部に上場し、また同年 4 月 27 日に設立 70 周年を迎えたヤマエ久野様。
積極的な事業展開により組織・エリアが拡大する中、グループガバナンス強化の観点よりコンプライアンスチェック業務のグループ統一化・効率化を目指し、2019 年 4 月に「日経リスク&コンプライアンス」を導入した。

活用状況

拠点・グループ会社で約200人が活用
マニュアル制定により業務フローの統一を実現

食品と住宅の中間流通業として九州に発足したヤマエ久野様は、ここ数年積極的な M&A 等で事業規模を拡大し、全国 150 拠点、グループ会社 26 社を数える。食品、酒類、飼料畜産、木材・住宅資材、物流等様々な事業を展開し、2 万 5 千社を超える取引先を抱える同社は、本社経営企画部がグループ全体のコンプライアンスチェック業務を統括。業務フローを統一化し、グループガバナンスの強化を図っている。

経営企画部 谷昭彦さん: ヤマエ久野本体は食品と住宅の中間流通業ですが、多種多様な業種・業態のグループ会社を抱えており、取引先数も相当数に上ります。そのためコンプライアンスチェック業務においては、信頼性の高いネガティブ情報の収集に加え、情報のグループ内共有による効率化が重要です。現在、ヤマエ久野本体 50 拠点・グループ会社 26 社で日経リスク&コンプライアンスを活用しています。

本社経営企画部でコンプライアンスチェックに関する基本方針や業務フローを記したマニュアルを制定し、各拠点・グループ会社の管理者・担当者約 200 人が、それに即して日経リスク&コンプライアンスを活用して取引先を精査しています。取引すべきか否かの判断が難しい案件があった場合は当部に連絡をもらい、関連部門との協議を踏まえ最終判断を行っています。

経営企画部長 谷昭彦さん

経営企画部 中島啓之さん: 新規取引先に対しては、取引検討のタイミングで日経リスク&コンプライアンスでネガティブ情報を調べることをルール化しています。一方、件数が膨大な既存取引先については、毎年当部がネガティブ情報の有無を確認し、当社グループ全体に共有しています。

経営企画部 中島啓之さん

導入の背景ときっかけ

グループ全体に浸透させやすい
シンプルなオペレーションが魅力

日経リスク&コンプライアンス導入のきっかけとなったのは、グループガバナンス体制構築に向けた社内プロジェクトの発足だった。上場企業は、内部統制システムの一環として、反社会的勢力との関係を排除する体制の構築が求められる。例えば、経営トップが反社会的勢力との関係を排除するための基本的な考え方を明らかにしてそれを社内外に宣言し、反社会的勢力に対応する部門を設置して情報を一元管理することや、対応マニュアルの整備、業務フローの見直しを行い、そのルールをグループ全体で遵守することが必要である。

谷さん: 日経リスク&コンプライアンスを導入したのは、当社グループが統一ルールの下で取引先のコンプライアンスチェック業務を行うのに最適なサービスだったからです。食品と住宅では業界環境も異なりますし、M&A の積極化に伴い弊社を取り巻くビジネス環境やリスクは多様化・複雑化しています。当社グループのガバナンスを強化するためには、全部門・グループ会社が統一ルールの下で取引先の精査を行う必要がありました。

日経リスク&コンプライアンスは、シンプルな操作で業務をマニュアル化しやすく、専門的なノウハウや知識がなくても高い精度で取引先を精査でき、チェックのバラツキなども解消できることから、グループ全体に展開可能と判断しました。全国紙や一般紙、専門紙の情報が網羅されており、調査漏れの不安がないことも導入を決定した重要なポイントでした。

中島さん: 新たなシステムの導入で最も避けたかったのは業務の煩雑化です。一般的なデータベースサービスからネガティブな情報だけを絞り込んでチェックするには専門性やノウハウが必要で、膨大な時間もかかると予想していたので、日経リスク&コンプライアンスのデモを体験した時、精度の高いネガティブ情報がすぐに検出されるのを見て、これならグループ全社で活用できると感じました。

また、日経リスク&コンプライアンスは最大 300ID が発行されるので今後グループ会社が増えても十分に活用できる点が魅力でした。

導入の効果

現場が毎日活用することで
コンプライアンスへの意識が熟成

積極的な M&A 戦略で規模を拡大させた企業の共通課題は価値観の共有である。特にコンプライアンスに関する価値観の共有は企業グループとしての社会的責任に直結するため、何より重要となる。ヤマエ久野様では日経リスク&コンプライアンスの活用をきっかけに、こうした価値観の共有や熟成を狙う。

谷さん: 日経リスク&コンプライアンスの導入前は、新規取引先に対するコンプライアンスチェック業務を各部門・グループ会社がそれぞれの基準や手法で行っていました。グレーな案件に対する判断も各部門・グループ会社が独自に行っていました。その結果、精度や信頼性にばらつきがあったことは否めませんし、現場にも不安があったと思います。

経営企画部 河野大志さん: 日経リスク&コンプライアンスの活用フローを検討した際、最初に決めたことはグループ全社がマニュアルに即して運用することと、新規取引のコンプライアンスチェック業務は一義的には現場に権限移譲することでした。現場への権限移譲は取引判断のタイムロスを少なくしたいという効率面の理由からでしたが、運用が始まると、取引すべきか否かで迷う案件に関して経営企画部に相談が舞い込むようになりました。いまではオープンな情報交換が進むなど思わぬ効果が表れ始めています。検索履歴も残るので同じ情報がすぐに共有でき、関係部署との協議もスムーズに対応できています。こうした積極的な情報交換を通じて各拠点やグループ全体でコンプライアンスへの意識が熟成していることが、日経リスク&コンプライアンスを導入したことで生まれた大きな成果だと思います。

経営企画部 河野大志さん

今後の展望

M&Aで拡大する組織をつなぎ
内部統制システムを進化させる

2020 年 4 月より「『クオリティ』と『ビッグ』を両立させ、新たなステージへと進化する」を基本方針とする新中期経営計画『NEW STAGE 2022』がスタートした。その主要テーマのひとつが、「『食』『住』に次ぐ新規事業領域への挑戦」である。新規事業へ踏み出すにはリスク管理の観点が欠かせないし、コンプライアンスチェック業務の重要性は増加する。

谷さん: 当社はここ数年、積極的な M&A 戦略で事業規模を拡大してきました。新中期経営計画『NEW STAGE 2022』においても、M&A による水平・垂直、新規事業分野への進出を加速していきます。その結果、事業領域やエリア等は更に広がり、ますます取引先に対するリスク管理、そしてグループとしてのガバナンス強化が重要な課題となります。

日経リスク&コンプライアンスを活用することで、当社グループの内部統制システムは進化しています。取引先とのトラブル回避は勿論、企業に求められる社会的責任をしっかりと果たすためにも、コンプライアンスチェック業務により多くの社員が携わり、その本来の目的を深く考えることが欠かせません。日経リスク&コンプライアンスがそのサポートに重要な役割を果たしてくれると期待しています。

M&A で拡大する組織を一つにつなぐのは、企業理念や事業目的。その起点になるのは企業として当然に求められる社会的責任である。最近では取引先に対するデューデリジェンスの中でも、とりわけ取引先に潜むコンプライアンスリスクの確認の重要性が増している。社員一人ひとりのコンプライアンスやリスク管理への意識を礎に、企業の未来は開かれる。

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