ナレッジツールとは

ナレッジツールとは、従業員が得た知識やノウハウなどを管理したり共有したりする際に使えるツールです。ナレッジツールを活用することで、経験や勘などに基づいた暗黙知を言葉などに置き換えて客観視できる形式知に変換して全社で共有できます。

ナレッジマネジメントツールとナレッジ共有ツールの違い

ナレッジマネジメントツールとナレッジ共有ツールは、言葉こそ違いますが本質的には同じものです。どちらのツールも、業務によって得られた知識やノウハウなどを他の従業員に対して共有する目的があります。

ナレッジツールを導入するメリット

ナレッジツールを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、3つのメリットを解説します。

業務の効率化を図れる

ナレッジツールを導入することで、業務に必要な知識や情報をデータベースとして構築できます。従来は必要な情報やファイルなどを探すのに手間がかかっていました。しかし、ナレッジツールでデータベース化すれば業務に必要な情報をチェックするためにかかる時間を短縮できるため、業務効率化につながります。

属人化を防げる

属人化とは、業務の情報やノウハウなどを特定の従業員だけが知っている状態を指します。いつの間にか属人化が生じてしまうというケースも珍しくありません。属人化が進むと、業務がブラックボックス化しプロセスがわかりにくくなります。ナレッジツールを導入することで、簡単にノウハウを共有できるため、属人化の防止に役立ちます。

人材コストを削減できる

ナレッジツール導入は、人材コストの削減にもつながります。ナレッジツールは、業務の引継ぎや新人教育の際にも役立つツールです。人材教育には手間やコストがかかりますが、ナレッジツールで業務プロセスや必要な知識、ノウハウなどがデータベース化できていれば、最低限のコストで業務の引継ぎや人材育成が行えます。

ナレッジ共有が課題となりやすい理由とは

ナレッジ共有がうまく進まない場合も多いでしょう。ここでは、ナレッジ共有で課題となりやすいポイントを解説します。

共有ハードルが高い

ナレッジの共有ハードルの高さは課題の1つです。ナレッジとして社内に公開するとなると、文章の書き方や構成、どのように公開するかなどさまざまな悩みが発生します。また、ナレッジを共有するタイミングがない、共有するメリットをあまり感じられないといった問題もあります。

そのため、誰でも簡単にナレッジの作成や公開ができる仕組みづくりが必要です。ナレッジツールであれば、ナレッジの作成や公開がスムーズに行えます。

共有する文化が構築されていない

ナレッジを誰でも簡単に作成・公開できるツールがあったとしても、ナレッジを共有する文化が構築されていないのでは、ナレッジ共有の活性化は難しいでしょう。ナレッジを積極的に公開できる雰囲気づくりが重要です。

ナレッジツールを導入して対応する場合には、運用担当者を決めてベンダーと相談しながら、社内でどのように活用を推進していくかを検討し、慎重に進めていくことが求められます。

共有を評価する仕組みがない

時間をかけてナレッジを作成・共有しても、従業員にメリットがないのでは長続きはしません。ナレッジ共有を評価する仕組みがない場合、共有が積極的に行われにくくなるため、ナレッジ共有への評価やフィードバックがしっかりと行われる仕組みをつくりましょう。

たとえば、ナレッジを多く公開している従業員を表彰する仕組みをつくる、投稿者ランキングを作成して報告するなどの仕組みが一般的には多いようです。

ナレッジツールの選び方のポイント

ナレッジツールと一口にいってもさまざまな種類があります。ここでは、ナレッジツール選定のポイントを解説するため、参考にしてください。

操作性で選ぶ

まずは、操作性のよさです。従業員は忙しい業務のなかで使用するため、操作性の高さは重要です。操作が複雑、わかりにくいという場合にはツールを導入しても、あまり活用されないでしょう。そのため、忙しいなかでも問題なく使えそうかどうかなどをチェックします。気になるツールがある場合は、無料トライアルで実際の操作性を試してみるとよいでしょう。

運用性で選ぶ

ナレッジツールを運用する際には、ツール導入後のベンダーのサポート内容やカスタマーサクセス担当者への相談機会があるかなども重要です。導入段階ではわからなかった運用課題などを相談できる体制が整っているか確認しましょう。また、取得したデータを効率的に活用できるかどうかもツール選びの重要なポイントです。

モバイルデバイスへの対応で選ぶ

パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスに対応しているかどうかも確認しましょう。営業などの外回りが多い職種の場合は、外出先でナレッジを確認したいというケースもあります。モバイルデバイス対応であれば、外回りや出張先からでもナレッジの確認ができるため、ナレッジの共有や蓄積がしやすくなります。

セキュリティで選ぶ

ナレッジツールには社内ルールやノウハウといった、自社のさまざまな情報が蓄積されます。そのため、ナレッジツールのセキュリティ対策は必ず確認しましょう。セキュリティ対策が不十分だと、機密情報や顧客情報などの重要な情報が漏洩してしまう可能性が高くなります。そのため、信頼できるセキュリティ対策が施されていることも重要なポイントです。

スモールスタートできるかで選ぶ

一部のメンバーや部署でテストするなど、スモールスタートできるかもチェックポイントの1つです。全社で一斉に始めてしまうと、スムーズに運用できないケースもあるため注意しましょう。スモールスタートする場合には、後から利用機能や利用規模を拡張できるツールがおすすめです。

ナレッジツールの種類を確認

ナレッジツールには大きく分けて4つの種類があります。まずは、「情報の蓄積・共有に特化したツール」です。ナレッジを蓄積できるため、経営戦略の立案や分析などを行いたい場合に向いています。

2つ目は「FAQや社内Wikiを作成できるツール」です。社内問い合わせを削減したい場合にはこのタイプが向いています。よくある質問をまとめられたり、業務マニュアルとして活用したりすることも可能です。

3つ目は「ヘルプデスクをサポートできるツール」です。効率的に問い合わせ対応をしたい場合に向いています。AIチャットボット型なら社内や顧客からの問い合わせに自動で対応できるため、対応の効率化が期待できます。

最後は「検索効率をアップさせるためのツール」です。ファイル内検索や全文検索といった検索機能に特化したタイプで、目的の情報をすぐに探し出すことができます。

ナレッジツールを導入する前に把握しておきたい注意点

ナレッジツールを導入する際には、注意点もあります。ここでは、注意したいポイントを2つ解説します。

必要性を従業員に理解してもらう

ツールを導入しても、従業員に使ってもらえなければ意味がありません。そのため、実際にツールを使用する従業員に対して研修や説明会を行うなどして、ナレッジツールの必要性やナレッジ共有の重要性を理解してもらうようにしましょう。

社内の運用体制を整える

ナレッジツールの運用体制を整えることも重要です。情報共有を奨励する雰囲気を醸成するように心がけましょう。たとえば、役立つ情報を共有する従業員を評価する制度を導入するなど、情報共有に対するメリットを提示することも重要です。

ナレッジの蓄積・共有におすすめのツール

ナレッジの蓄積・共有に役立つおすすめツールとして、「日経ザ・ナレッジ」を紹介します。

日経ザ・ナレッジ

NIKKEI The KNOWLEDGEには、日経コンテンツや業界専門紙、ビジネス誌など幅広い情報ソースがそろっています。また、AIが必要なデータを抽出し、バインダー機能でまとめてくれるため、手間をかけることなくいつでも情報を活用できる状態に整理できます。無料トライアルもあるため、使用感を確かめてから導入することも可能です。

NIKKEI The KNOWLEDGEの導入事例

全日本食品株式会社では、元々日経新聞を読むように従業員に伝えていましたが、業務の忙しさに追われる人がほとんどで情報収集がうまくできていませんでした。また、情報収集の方法がそれぞれ異なることで、従業員によって情報の質や量にムラがあるという問題もありました。

そこで、積極的な情報収集や情報の共有を目的として、「日経ザ・ナレッジ」の導入に踏み切ります。導入後は、誰かが担当するプロジェクトに関連する記事があったら共有する、知りたいテーマを設定して自動で情報収集をするなど、うまく活用されています。

まとめ

ナレッジツールとは、従業員個人が得た情報やノウハウ、知識などを共有・管理するためのツールです。ナレッジツールを導入することで、業務効率化や属人化の防止、人材コストの削減といったメリットが得られるため、積極的に導入するとよいでしょう。

NIKKEI The KNOWLEDGEは、信頼の日経ブランドです。日経が厳選した多数の情報ソースから役立つ情報を簡単に整理・分類・共有できます。AIによる情報選別やバインダー機能、議論を活性化させるワークスペース機能など、便利な機能も充実しています。ナレッジツールの導入をお考えなら、無料トライアウトをお試しください。