業界動向の調べ方とは|情報収集の方法やビジネスに活かすためのフレームワークを紹介

業界動向の調べ方とは
情報収集の方法やビジネスに活かすためのフレームワークを紹介

企業のマーケティング活動や経営戦略の策定には、業界動向の把握が重要です。業界動向を把握すると自社の立ち位置がわかり、これから生き残っていくために何が必要かを考えられます。この記事では、業界動向の調べ方や活用したいフレームワークなどについて解説します。

業界動向を調べるために必要な情報

業界動向がわかる情報の一例を以下に示しました。

  • 生産数
  • 労働者数
  • 販売額
  • 製品の販売価格などの統計データや市場規模
  • マーケットシェア
  • ランキング
  • 業界別の展望

業界動向に関する情報は、インターネット上で公開しているデータや専門書籍、調査レポート、新聞などのニュース、企業コラムなどがあります。情報の多くはオンラインで閲覧でき、無料のものもあれば有料のものもあります。

業界動向を調べる重要性

業界動向を調べるべき理由の1つは、時代に取り残されないためです。近年、ITの発展により新しい製品やサービスが盛んに開発されています。また、企業の海外進出も加速傾向です。時代に取り残されないように経営判断するためには、業界動向の把握が欠かせません。

新たな業界への参入可否を判断する際も、業界動向を調べる必要があります。生き残りをかけて新たな業界へ進出する企業は数多く見られます。しかし、ノウハウのない業界で成功するためには、最新の業界動向に基づいたマーケティングを行い、経営戦略を立てなければなりません。調べた業界動向はフレームワークなどを使って分析し、施策・戦略に反映させましょう。

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業界動向の把握に必要な情報の調べ方

業界動向の把握に必要な情報の調べ方を解説します。それぞれの情報源のメリットや注意点を確認しましょう。

各種新聞を活用する

新聞を読むと、最新の業界動向に関する情報をいち早く入手できます。全国紙や専門紙、海外の新聞などもあるため、調べたい内容によって使い分けましょう。図書館などでデジタル化した新聞を閲覧すると、検索機能を使って効率よく情報を入手できます。また、バックナンバーも保存されているため、過去の業界動向も調べられます。

専門雑誌や書籍を活用する

特定業界についての情報が掲載されている週刊誌や月刊誌、書籍などでも業界動向を調べられます。専門雑誌や書籍は、発売のタイミングによっては情報が古い可能性があるため注意が必要です。経営判断は最新の情報をもとに下す必要があるため、新聞など複数の情報と組み合わせて業界動向を調べましょう。

官公庁が公開する資料を活用する

官公庁は、白書や統計調査報告といったさまざまな統計データを、年間1,000点以上も公開しています。官公庁が公開する資料は種類が豊富なうえに、膨大なサンプル数による信頼性と客観性の高さが魅力です。

統計データはインターネットで閲覧でき、ダウンロードも可能です。各省庁のサイトから資料を調べて、業界動向の調査に役立てましょう。以下は官公庁が公開する資料の一例です。

  • 総務省統計局:経済センサス
  • 中小企業庁:中小企業実態基本調査
  • 経済産業省:経済産業省生産動態統計調査

業界団体が公開する資料を活用する

特定の業界の詳細な情報が知りたいときは、業界団体の資料を調べましょう。各業界団体は、所属企業の情報をもとに、統計データなどを公開しています。資料を公開している団体の一例を以下に示しました。

  • 日本自動車工業会
  • 日本建設業連合会
  • 全国宅地建物取引業協会連合会
  • 日本製薬工業協会
  • 日本電機工業会

民間調査会社が公開する資料を活用する

民間調査会社とは、独自の調査方法で調べているリサーチサービスのことです。民間調査会社は、特定の業界に取材したうえで、企業シェアや長期的な予測データなどをまとめています。

民間調査会社の資料を見ると、官公庁の資料よりも業界の深い情報を得られます。業界を問わない調査会社もあれば、特定業者に強い調査会社もあるため、各サービスの特徴を押さえて利用しましょう。なお、民間調査会社の資料には有益なデータが多い反面、多くは有料です。利用する際はコストがかかることを理解しておいてください。

金融機関が公開する資料を活用する

金融機関が公開するデータからも業界動向がわかります。金融機関の資料は多くの情報を引用してまとめられています。そのため、自分で調査するよりもスピーディに、さまざまな視点から業界動向を把握可能です。

金融機関の資料には業界の見通しを予測・分析したものが掲載されており、多くはグラフ化されているため視覚的な理解が促されます。また、世間が注目する業界やテーマが取り扱われるケースもあります。

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業界動向の調べ方で注意したいこと

業界動向の調べ方で注意したいことの1つは、データの信頼性です。業界やテーマについてインターネットで検索すると、さまざまなデータがヒットします。しかし、データの信頼性は、精査しなければわかりません。情報元をしっかり確認しましょう。

また、関連業界に関する情報が必ずインターネット上で見つかるとは限りません。情報がない、または少ない業界の場合、関連企業が開催するセミナーや会合に参加するという手もあります。さらに、統計データは集計方法がそれぞれ異なります。「言葉の定義」や「データの収集対象」を確認し、そのデータで何がわかるか理解したうえで活用してください。

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業界動向の把握に欠かせない市場規模とは

市場規模は、特定の業界や分野の市場の大きさを表すもので、一般的にはその業界や分野の年間の総売上高を指します。

市場規模の推移やその背景は、業界動向を知るうえで欠かせない情報です。市場規模を調べるだけでも、今後の売上見込みやニーズ予測の参考になります。市場規模の小さな業界では売上が見込めないため、新たな業界への参入可否を判断する際は必ず市場規模が調査されます。

市場規模を算出する方法

市場規模の情報を調べられないときには、既存のデータから自分で市場規模を算出できます。計算式を以下に示しました。

  • 市場規模=企業Aの売上高/企業Aの業界シェア
  • 市場規模=市場参加企業×平均売上高
  • 市場規模=顧客数×顧客単価×利用頻度

企業Aは、自社でも他社でも構いません。自社で手がけていない事業については、他社の情報を参考に算出しましょう。

フェルミ推定でも市場規模を算出できます。フェルミ推定は、論理的に値を推測する思考法です。ただし、フェルミ推定で得られる値は、あくまでも概算であると理解しておきましょう。

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業界動向の分析におすすめのフレームワーク4選

業界動向の分析におすすめのフレームワークを解説します。フレームワークを利用して、効率よく業界動向を分析しましょう。

1.3C分析

3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合他社)、Company(自社)に注目し、成功要因を探るフレームワークです。3C分析を実施すると、自社の立ち位置を客観的に把握でき、市場ニーズや競合他社の動きに合わせた戦略を立てられます。

2.PEST分析

PEST分析は、Politics(政治的要因)、Economy(経済的要因)、Society(社会的要因)、Technology(技術的要因)のそれぞれの観点から、市場の外部要因を探るフレームワークです。業界に影響を与える外部要因の分析は、マーケティングには欠かせません。PEST分析で自社を取りまくマクロ環境を把握して、マーケティングに役立てましょう。

3.SWOT分析

SWOT分析は、3C分析とPEST分析で得た情報をもとに実施すると効果的です。SWOT分析では、自社のStrength(強み)とWeakness(弱み)、外部環境のOpportunity(機会)とThreat(脅威)を組み合わせて、マーケティングやリスクヘッジに活用します。SWOT分析で戦略を立てる際は、「緊急度」や「重要度」の高いものから優先的に取り組みましょう。

4.5F分析

5F(Forces)分析は、自社を取り巻く脅威を把握するためのフレームワークです。5つの脅威は以下のとおりです。

  • 競合との関係性
  • 顧客の交渉力
  • 仕入先の交渉力
  • 代替になりうる他社商品
  • 新規参入しそうな企業

5F分析を実施すると、自社の課題や脅威を発見して対策を立てられます。また、脅威が発生した際は迅速な経営判断が可能です。

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まとめ

変化が激しいビジネス界で企業が生き抜くには、業界動向を把握して経営判断する必要があります。業界動向は、各種新聞や官公庁の資料、業界団体の資料などで調べられます。収集した情報は、フレームワークなどを使ってスピーディーかつ的確に分析しましょう。

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