旭化成株式会社は、1922年創業の老舗化学メーカー。合成化学や化学繊維事業からスタートし、現在はマテリアル、住宅、ヘルスケアの3つの領域で事業を展開しています。
NIKKEI The KNOWLEDGE 導入の目的は?
・最新情報が自動的に「入ってくる」仕組みが欲しい
その効果は?
→ 情報収集にかける時間が大幅に短縮された
→ メンバー間の情報共有の手間が削減された
→ 集めた情報は今後のマーケティング戦略構築のためのナレッジとして蓄積
今回は、2020年4月1日付の組織改正で新たに設置された、機能材料マーケティング室の芦田直明さんに、NIKKEI The KNOWLEDGEの活用方法や効果についてお話を伺いました。
情報を「取りにいく」のではなく「入ってくる」仕組みが必要
まずは、所属されている機能材料マーケティング室*について、概要を教えてください。
芦田さん(以下、芦田):付加価値の高い製品を生み出すために欠かせないエンジニアリングプラスチックのような機能材料といわれる製品のマーケティングを担当しています。
私の所属するパフォーマンスプロダクツ事業本部*では、自動車や工業製品向けのエンジニアリングプラスチックから、サランラップ®やジップロック®といった日用品など、非常に幅広い製品を扱っています。私の担当する機能材料領域では、素材ごとに営業チームがあり、お客様に密着してニーズに的確に答えるセールス&マーケティングで業績を伸ばしてきました。一方で課題としてきたのが、新たな事業機会の創出を見据えた、長期的視点にもとづくマーケティング活動です。
当室は、この部分の強化を目的として2020年4月付で新たに設置されました。中長期的視野にたった市場トレンドと自社技術をかけ合わせて、新たな事業機会を見つけるマーケットイン的な視点を持ち、既存のセールス&マーケティングのチームと連携して活動しています。
* インタビュー当時の情報です
新しい事業の種を見つけるには、情報収集が重要になってきますね。これまではどのように対処していたのですか?
芦田:私の場合は「全社で導入している情報収集のプラットフォームを活用する」「自分が知っていてなじみがある情報サイトを見る」といった方法でした。周りの方を見ると、日経新聞の電子版を通勤電車の中で読んだり、業界紙、業界ごとの専門サイトが配信しているメルマガを定期購読したりしている人も多かったと思います。
従来の情報収集の方法で、課題を感じていたのはどのようなところでしょう。
芦田:お客様ベースでなく産業ベースで、中長期的な未来を見据えた先読み的なマーケティング活動を行うには、さまざまな業界や材料に関する最新情報を常にインプットしなくてはなりません。
先に挙げた手法で、ある程度の情報を得られますが、業界の幅が広く情報量も多く、欲しい情報を集めるにはかなりの時間を取られるのが課題でした。
メンバー間の情報感度の違いによっても、収集にかかる時間に違いがありそうですね。
芦田:そうですね。まだ小さな組織ですが、それでも情報収集が得意な人と苦手な人では情報の質や量に差がありました。
実は、当室がスタートした段階から、情報収集の在り方は今後のカギになると考えていたんです。所属するメンバーが増えたときのためにも、できるだけ早く「自分で情報を取りにいくのではなく、情報が入ってくる仕組み」を構築しておく必要がありました。
キュレーションの精度と分類の見やすさ、共有の手軽さが決め手に
全社で導入しているツールには、どのような点に不足を感じていましたか?
芦田:新聞でいう一面記事も、社会面の小さな記事も、すべての情報が同じ扱いで一覧のリストのような形で配信されるため、視覚的に情報の優先度を区別しにくい点ですね。自動的に情報が配信されるまでは良いのですが、結局は自分たちで内容を精査して役立つ情報をピックアップするので、「情報を取りにいく」点ではほかの補助的な方法と変わりませんでした。
現在では、欲しい情報がある程度絞り込まれた段階で、調べたり深掘りしたりする際に使用しています。
ほかにはどのようなツールを検討されたのでしょう。
芦田:全社で使用していたツールでは日経系の情報が入ってこないことも、ほかの情報源の必要性を感じた理由のひとつでした。初めに、別のデータベースサービスを試しましたが、記事単位で課金が発生する仕組だったので、費用が気になってしまって(笑)
見たい情報、気になる情報をすべて網羅できないことにジレンマはありましたが、そこは今までどおり日経新聞を定期購読することでカバーするしかないのかなと、半分あきらめていたんです。そんなとき、NIKKEI The KNOWLEDGEをご紹介いただき、「物は試しで」とトライアルすることにしました。
トライアルの際の感想をお聞かせください。
芦田:率直に、非常に使い勝手が良いと感じました。特に良いと思った点は、大きく3つあります。
1つ目は、AIがキュレーションすることによって、レコメンドされる情報が日々自分好みにブラッシュアップされていくこと。
2つ目は、そうした情報が企業名や業界のほか、自分たちで設定したキーワードで分類され、それぞれのバインダーに保存されることです。気になる分野や産業、競合企業などのニュースをひと目で、いつでも確認できるのが非常に便利でした。
3つ目は、情報共有がしやすいことです。私たちはまだ小さな組織なので、メンバーそれぞれがどんなテーマを持っているか、どんな企業や分野を追っているかを全員が把握できています。そのため、ほかのメンバーに役立ちそうな情報を見つけたら、できるだけ早く知らせるようにしています。
役立ちそうな情報を共有する際、従来だとメール共有が中心だったため、紙媒体ならPDF化して取り込む、Web媒体ならURLを貼りつけて送るという作業が手間で、忙しいとどうしても手が回りませんでした。
その点、NIKKEI The KNOWLEDGEは、ツール上で相手を選んでコンテンツを共有するだけなので、共有する側に負担がありません。コロナ禍でテレワークが中心になり、直接顔を合わせる機会が少ない環境だと、手軽なコミュニケーションツールとしても活躍してくれました。
将来を見据えたデータベースづくりにNIKKEI The KNOWLEDGEを活用
導入後に感じた効果があれば教えてください。
芦田:メンバー間で月に1度、それぞれが担当するテーマについてピックアップ・リスト化した情報を共有する検討会という機会があります。その際、日本語の情報リストの多くがNIKKEI The KNOWLEDGEで得た情報で構成されるようになりました。それだけ、知りたい情報を的確に得ることができているのだと思います。
また、メインツールがNIKKEI The KNOWLEDGEに集約されたことで、情報収集にかかる時間が大幅に短縮されました。例えば、これまでだとお客様のところへ向かう直前に1時間くらいかけてあわてて調べていた業界の最新トピックス等についても、10分程度で的確に把握できるようになり、効率的に時間を使えるようになったと感じています。
最後に、これからNIKKEI The KNOWLEDGEをどう使っていきたいか、展望についてお聞かせください。
芦田:先程お話しした検討会で共有している情報は、技術の先読みをしたり、事業の方向性を見つけたりするためのデータベースとして、今後のマーケティング活動に活用していく予定です。今すぐに役立つ情報はもちろん、「ちょっとおもしろい」「いずれ役立つかもしれない」と感じる情報を広く集めるツールとして、引き続き利用していきたいですね。
いずれは、既存のマーケティング部門や、営業部門への情報共有にも活用していけたらと思っています。ユーザーのニーズに応じて媒体を増やすと聞いているので、今後にも期待ですね。
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