島根県松江市に本店を置く株式会社山陰合同銀行は、地盤となる島根・鳥取両県が少子高齢化などの課題が深刻な地域とあって、取り巻く環境への危機感が強く、他の地域金融機関に先駆けた取り組みを進めてきました。
人事・人材面では、エリア限定勤務の女性行員を中心に集中的にリスキリングを実施するなど、専門人材の確保が容易ではない地方に対する試みが評価され、「日経リスキリングアワード2024」の企業・団体イノベーティブ部門で最優秀賞を受賞しています。
また、2024年には生え抜きの女性行員が代表権を持つ取締役に就任し、外国人の取締役も誕生するなど、経営層の多様性を高める取り組みを行っています。
また、DX推進に取り組む中で、若手・中堅行員の提案を生かすため、ジュニアボードの仕組みを導入。そこで、「新聞・ネット等に日々膨大な量の情報が溢れているが全てを網羅することは困難」「着目すべきニュースや話題の判断は各人のスキルに左右される」といった課題に対して、「情報収集から活用までの流れを最適化し、収集した情報の活用状況を変えること」を目的に、必要な記事をAIで自動収集・選別・配信する情報サービス、日経ザ・ナレッジを導入しました。
日経ザ・ナレッジ 導入の目的は?
・情報収集スキルの格差をなくし、高レベルで平準化させたい
・経営や営業において必要な情報をもれなく集め、銀行全体にも共有したい
その効果は?
→業務上で必要な情報をタイムリーに集めて反映できるようになった
→必要な情報の収集を短時間でできるようになった
→法人営業等を担当している行員の営業活動における下支えになった
今回は、日経ザ・ナレッジ導入の決め手や活用方法について、お話をうかがいました。
お客様の課題解決のため、情報収集スキルの高レベルでの平準化を
御行が日経ザ・ナレッジを導入する決め手となったのは何でしたか?
國岡さん(以下、敬称略):導入のきっかけは、「ごうぎんDXジュニアボード」という若手行員が中長期的に目指すべき姿や戦略、新たな事業領域などをDX(デジタルによる変革)の目線で議論した経営レベルの議論の場です。
営業推進戦略において「お客様への適切な情報提供は、営業において武器になる。その営業に必要な情報収集・共有を、もっと効率的に行いたい」というチームメンバーのボトムアップでの提案があったのです。その提言をきっかけとして導入に至りました。
川上:以前、行員に新聞購読状況のアンケートをとったことがあるのですが、購読率70%は高いとはいえず、情報収集において個人間の格差が生じている印象がありました。
お客様の課題を深掘りし、成長戦略を伴走支援していく「全員コンサルプロジェクト」に取り組むためにも、行員の情報収集力を平準化し、引き出しを増やしていくことが大切だと考えました。
具体的に、日経ザ・ナレッジのどんな点が評価されたのでしょうか?
國岡:100人近くの行員を対象としたトライアルの後にアンケートを行ったところ、「情報収集が効率化できた」「質の高い情報が集められるようになった」と答えた行員が、全体の約8割にも上りました。これほど評価が高いのであれば、組織の中でしっかりと活用されるツールになるだろうなと。
私自身も個人的に、生成AIや金融機関のDX事例等に関するトレンドを追いかけて、情報収集をそれなりにしているつもりでしたが、日経ザ・ナレッジを開けば、自分が拾いきれていなかった情報がたくさん入ってくるんですよね。
河本:そうですね。自分が収集時に意図した以上の情報を拾えるのは、とても大きなポイントです。新企画立案のきっかけや参考になっているので、すごくありがたいですね。
他のツールとの比較・検討は?
國岡:他のサービスも調査対象としましたが、日本経済新聞以外にも、「日経」と名が付く媒体の情報が、一元的に集約されているのはかなり魅力的であり、導入の決め手となりました。
情報収集が時短化され、人材採用・育成にも活用
日経ザ・ナレッジを導入してまだ日が浅いとは思いますが、どのような活用をされていますか?
河本:銀行の採用活動においても、学生に対して魅力的な情報をいかに発信できるか、あるいは学生の動向をタイムリーに把握し、活動に迅速に反映させられるかはとても重要なポイントです。その点で、日経ザ・ナレッジを有効活用しています。
経営理念実現を支える人材確保のための採用に、しっかりつなげられていると感じています。
川上:日経ザ・ナレッジのアカウントは、新入行員にも発行しています。日経新聞を読む習慣がなかった行員には、最近は「このツールを入口とすると、こんな情報収集ができますよ。最終的には日経新聞も買って読むようにしてくださいね」といったアナウンスをしています。このツールで情報収集することによって、簡単に業界動向や業界変革がチェックできるようになるはずです。
また、採用段階で「内定先は自分が成長できる環境か」という点を重視する学生は増えている印象です。その点でいえば福利厚生の一環として、あるいは自己研鑽のツールとして日経ザ・ナレッジが用意されているのは、プラス要素になるのではないかと。
元々はジュニアボードの提案がきっかけで始まった日経ザ・ナレッジは若手行員のニーズにマッチしており、今後さらに活用されていくと思います。
確かに、人材採用・育成に効果を発揮しそうですね。現場ではどうでしょうか?
國岡:本格的な検証はこれからですが、定期的にログインしている行員は、業務前後の時間帯のほか、休日に自己啓発的に活用している傾向があります。今一番使われている機能は「あなたへのイチオシ」で、そこで記事をチェックしたり、1日2回メールで届いた記事を確認したりしているようです。
ちなみに、他行のリリースや動向などを集めた「業界バインダー」を作っています。他行の動きは、役員・部長による朝会で議論するためのテーマとしていち早くキャッチアップしておく必要があるので、情報を漏れなく得られる日経ザ・ナレッジはとても助かります。
川上:行員に対するアンケートでは「新聞は30分程度じっくり読まないと情報が収集できないけれど、日経ザ・ナレッジなら短時間で自分に興味のある情報を得られる点が魅力だ」という声が上がっていました。
日経ザ・ナレッジの使い方の周知に、不安は感じませんでしたか?
國岡:使い方については、日経さんに導入マニュアルを準備していただき、説明会も実施していただいたので、大きな心配はありませんでした。
情報共有機能によって、商談をさらに有意義なものに
日経ザ・ナレッジを活用して、どのようなことを実現していきたいですか?
國岡:今はまだ、日経ザ・ナレッジを最大限に活用できていないですね。
川上:ええ、まだポテンシャルを完全に引き出せてはいないです。今後は情報共有機能や共有された情報に対するコメント機能の活用を促して、銀行全体の情報収集スキルを、高いレベルで平準化させたいと考えています。
國岡:そうですね。私が一番期待しているのは、情報の共有機能です。日経新聞の記事を読んで得た商談向けのネタを、朝礼時に店舗内で共有している営業現場があります。共有した情報は法人営業担当が外訪先での面談で活用したりしています。
例えばそのネタを、日経ザ・ナレッジの共有機能を使って、店舗内だけではなく銀行全体で共有できれば、ニーズの掘り起こしもさらにできるだろうと思います。
そういえば、当行代表取締役頭取である山崎のインタビューが日経電子版の記事になったとき、日経ザ・ナレッジで全社的に展開したところ、これまでにないレベルの反応がありました。今後は、そういった自社に関するニュース・記事の共有も積極的に行っていこうと考えています。
河本:「日経リスキリングアワード2024」で企業・団体イノベーティブ部門の最優秀賞をいただいたのですが、そこで評価いただいた、地域限定勤務もしくは窓口担当の女性行員のリスキリングにおいても、日経ザ・ナレッジを活用できそうです。
これまで彼女たちは、取引先の社長さんと商談することがなかったので、新聞で情報収集する機会も少なかった。そのような営業の経験がない行員も、挙手制で日経ザ・ナレッジを使っています。隙間時間に活用して、お客様との会話の糸口として役に立っているように思います。
山陰合同銀行は、全国有数の課題先進地域にある地域金融機関です。お客様のためにより良い情報を仕入れて、事業の変革提案やタイムリーな情報を提供し、地域おこしに取り組んでいきたいと思っています。そのためにも、日経ザ・ナレッジを使って、他地域や他行の良い事例などをいち早く取り入れていきたいですね。
日経ザ・ナレッジが3分でわかる
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