住宅大手メーカーの住友林業は、住宅にとどまらず森林経営から木材・建材流通・木造建築・バイオマス発電に至るまで、「木」を軸に多彩な事業を展開しています。
同社の研究部門である筑波研究所は1991年に設立され、資源、材料、住宅・建築の3分野と、企画、業務を合わせた計7つのグループで構成されています。その一角をなす企画グループは、研究員の活動を支援するとともに、研究と事業をつなぐ企画の立案・実行を担っています。
日経ザ・ナレッジ導入の目的は?
- 多様な媒体にアクセスし、情報収集の幅を広げたい
- 研究員間の情報共有を効率化したい
- 技術情報とは別に、ビジネス視点の情報も収集したい
その効果は?
- 毎日自動で情報収集でき、手間と時間が大幅に削減できた
- 記事の保存・共有・コメント機能でコミュニケーションが活性化された
- 他者の視点や異なる領域の情報に触れることで、視野が広がった

研究は「出口(ゴールとその先)」を意識する
だからこそ、ビジネス視点での情報が欲しい
だからこそ、
御社の筑波研究所と企画グループが担う役割をお聞かせください。
磯田さん(以下、敬称略):筑波研究所は当社唯一の研究開発拠点で、既存事業の維持・拡大などにつながる研究開発と、新規事業などを見据えた研究開発の2軸を担い、約80名の研究員が所属しています。
鎌田:企画グループは、研究員の研究活動を支える役割を担っています。研究開発の体制整備や仕組みづくり、研究テーマの進捗管理や事業部・社外との窓口対応のほか、研究開発報告会などの社内イベントの企画・運営なども行います。研究員が研究に専念できる環境を整えるとともに、研究と事業をつなぐ取り組みを他部署や外部と連携して推進しています。
日経ザ・ナレッジの導入経緯を教えてください。

コーポレート本部 筑波研究所 企画グループ
マネ―ジャー 磯田 信賢 氏
磯田:日経ザ・ナレッジを導入する前から、研究員は自分たちで新聞や雑誌で情報収集を行っていましたが、その幅が狭いという問題意識がありました。それを打破するべく、多くの媒体にアクセスでき情報収集の幅を広げられるツールを探していたところで、鎌田が日経ザ・ナレッジを見つけました。情報収集とその共有を効率的に行えることに加えて、AIが検索履歴に応じて、記事をピックアップしてくれる機能に魅力を感じました。
鎌田:研究員は研究・技術そのものの知識や情報を深めるのとは別に、「出口」を意識した取り組みも重要です。研究員にとって直接の出口は、できた技術を事業部に渡すことですが、その先で商品として社会に出ていき、お客様に届くことも重要な「出口」です。だからこそ、研究のゴールを見据えるだけでなく、その成果がどのような商品になり、社会にどう役立つのかを意識して取り組んでほしいと思っています。
その一助として、論文や特許などの技術情報とは別に、ビジネス視点での情報収集を目的とした共通ツールを、研究所内に用意できればと思っていました。そこで、産業・業界動向や同業他社の取り組み、制度や政策、社会全体の動きといった幅広い情報を効率よく取得できる日経ザ・ナレッジの導入を決めました。
磯田:専門的な技術議論は日常的にありますが、社会とか市場に対して我々が提供できる価値や、世の中から求められていることを議論するきっかけになればという期待もありました。
情報のハブとなる研究員と企画グループを中心に
研究情報から知財、管理、研究開発体制まで幅広く収集
研究情報から知財、管理、
業務の中で日経ザ・ナレッジをどのように活用していますか。

コーポレート本部 筑波研究所 企画グループ
主任研究員 鎌田 寛史 氏
鎌田:現在、当研究所では25名が利用しています。日ごろから情報収集に積極的で、チームや部署の中での共有を期待できる人を中心に選びました。
磯田:企画グループとしては研究情報のほかに、他社の知財運用・研究開発体制に関わる情報も日経ザ・ナレッジを使って収集しています。研究戦略をどの部署が担うのか等も業種・規模で異なるので、他社の情報を参考にしつつ、自社に最適な体制を日々検討しています。
鎌田:使い勝手の面では、感覚的に使える点が良かったです。キーワードや企業・業界を基準に、情報をカテゴリー別に整理してくれるバインダーや、集めた情報を保存するワークスペースなど、多機能ではありますが、導入から利用定着までスムーズに進み、研究員も問題なく活用しています。
磯田:建築系で著名な雑誌の記事も読めますし、日経系列の雑誌は研究員も参考にしているので、それらが読めるのは助かります。バインダーは研究分野や同業他社、建築系企業、協業先などをキーワードに設定しています。私の場合、日刊木材新聞の通知がよく届きます。研究員の間では、技術情報が多い日経アーキテクチャや日経クロステックがよく読まれています。
効率的な情報収集と共有が、コミュニケーション活性化に貢献
日経ザ・ナレッジを利用して、どのような効果を感じますか。
鎌田:自分で検索する情報ツールは多いですが、忙しい中で欲しい情報を探しだすのは手間がかかります。日経ザ・ナレッジは、必要な情報を自動で収集してくれて、手間も時間も大幅に節約できると実感しています。
磯田:毎日「あなたへのイチオシ」メールで興味を引く記事がどんどんプッシュされるので、アクセスのきっかけとして非常に有効です。記事にコメントをつけて共有、ワークスペースへの保存も簡単で、メンバー同士でコメントの行き来が増えるのはすごくいいですね。
鎌田:会議前の雑談で記事についてタイムリーに話ができるのもメリットで、今後はさらに活用を進め、情報共有から議論の活性化につなげたいと考えています。
磯田:利用者それぞれが違う観点で記事を見ているのは興味深いですね。毎週金曜日に利用者の中で注目された記事を紹介するメールが届きますが、私の関心とは全く違う内容が多く、他の人の関心がわかり、自分も見るきっかけになります。よく知っている分野の情報ばかり増やしてもイノベーションは起こりませんから、違う分野を見聞するのは大事だと改めて感じています。
情報共有が生む“横のつながり”
──縦割り組織に風を通すきっかけに
今後、日経ザ・ナレッジをさらに活用していくために、期待することはありますか。

鎌田:情報の共有体制は整ったので、今後は議論に発展させる取り組みを進めたいです。
磯田:当研究所の研究グループはそれぞれに専門が異なり、横断的な議論を促進したいと思っても、扱う技術も違えば用語も違うのでなかなか難しい。そこで日経ザ・ナレッジの情報の幅や、情報共有やコミュニケーションを促す機能を活用して、縦割りを崩すきっかけを作れたらと考えています。技術ドリブンの研究に、社会・マーケットなどのビジネス視点が加われば、分野を超えた議論の土俵ができるのではないかと。グループの垣根を越えた横串を生み出せるよう、企画グループとして構想を練っているところです。
日経ザ・ナレッジが3分でわかる
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