トヨタグループの源流企業である豊田自動織機は、フォークリフト、カーエアコン用コンプレッサー、エアジェット織機の3つの分野において世界シェア1位。
その事業部の1つであるトヨタL&Fカンパニーは、フォークリフトをはじめとする産業車両を所管し、3兆円を超える同社全体の売上高の約7割を占めます。同社の主力事業として、脱炭素や循環型経済(サーキュラーエコノミー)に対応したビジネスへの移行、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを積極的に進めています。
日経ザ・ナレッジ 導入の目的は?
・急速に進むサステナビリティ関連情報を効率的に収集・整理したい
・経営陣や社内に論理的に説明するための根拠となる情報を集めたい
その効果は?
→情報の幅広さ、情報収集のスピード感、専門知識の深さが飛躍的に向上した
→メンバーの関心事や価値観が理解でき、チームビルディングに繋がった
→新しいチームメンバーが業務に必要な知識を早く身に着けられるようになった

今回はサステナビリティ推進室のお二人に日経ザ・ナレッジ導入の決め手や活用方法・効果についてお話をうかがいました。
急速に進むサステナビリティへの取り組み
「世の中についていけなくなるのでは」との危機感
導入の経緯から教えてください。
石井さん(以下、敬称略):サステナビリティは地球規模での取り組みが急速に進んでおり、新しいルールや法律が次々に生まれています。各社が二酸化炭素の削減目標値などを掲げて外部機関による認定をもらう仕組みも進んでいて、企業間取引や株式市場による評価においてもサステナビリティを避けては通れません。
3年前にサステナビリティ推進室の前身となるプロジェクトを始めたときには私1人でした。現在は私や小笠原を含む8名が専属となり、基本的に「一人一分野」を担当しています。
小笠原:例えば、私の担当はサーキュラーエコノミーです。弊社が製造・販売する車両の長寿命化やリサイクルしやすい設計にすること、素材自体に再生材を使用する取り組みなどを各部署と連携して進めています。

室長 石井大悟氏
石井:サーキュラーエコノミーだけでも扱うべき項目は多岐に渡ります。経営陣をはじめとする社内に説明する前に、私たち担当者がインプットしておくべき情報は膨大です。しかも、その範囲は日に日に広がっています。
自分たちでネット、書籍、セミナーなどから情報を取りに行くだけでは効率が悪く、情報に追いつかなくなっているのを感じていました。また、経営陣に対して根拠を示しながら論理的に話すためには深い知識も必要です。私たちの武器は情報と知識であり、両方が不足していました。
そんなとき、メールマガジンで日経ザ・ナレッジの無料トライアルのお知らせが来ました。全社で導入している記事共有サービスツールで自社や業界に関する日経が発行する記事は見ていましたが、サステナビリティという新たな取り組みに必要な情報が幅広い情報ソースからAIによってプッシュ型で提供されることに魅力を感じ、トライすることにしたのです。
毎日20本近くの記事をチェック。
効率よい収集を習慣づけるには
具体的にどのように活用されているのでしょうか。
石井:朝と夕に1日2回、「あなたへのイチオシ」がメールで届く仕組みなので、メールチェックのついでにそれを見ることが私のルーティンです。カテゴリーごとに情報が整理された「バインダー」もチェックします。メンバーの利用状況は管理者である私が把握できるようになっていて、8名全員がほぼ毎日ログインしています。ヘビーユーザーの小笠原さんは毎日20本近くの記事を読んでいますよね。
小笠原:タイトルで気になる記事はとりあえず開くようにしているからです。数秒間しか読まない記事もあれば、時間をかけて読み込む記事もあります。設定するキーワードは担当それぞれが決めていますが、私はサーキュラーエコノミーに関連する「リース」「バリューチェーン」「テレマティクス」「政策動向」などがあります。私も朝と夕方に1回ずつチェックしています。自分なりのルーティンを作ることが日経ザ・ナレッジを有効活用するコツかもしれません。

バリュー創出G 小笠原佑輔氏
石井:気になった記事をじっくり読む時間がないときは「ワークスペース」に入れて保存できます。サーキュラーエコノミーにもカーボンニュートラルにも関係する記事のときは両方のワークスペースに入れておくだけです。普段からこの作業をしておくと、資料作成時に根拠となる情報が一箇所にまとっているので便利ですね。
「あの記事見た?」
情報を通じたコミュニケーションの促進
実感している効果について教えてください。
石井:知識レベルの底上げにつながっているのは確かです。先ほど申し上げたように、私たちは「一人一分野」で分業しているため、それぞれの分野について専門的な知識をもとに良質な情報を保存しています。その情報を横断的に閲覧することで、各分野の最新動向をキャッチアップできるので個人的にも管理者としても重宝しています。
小笠原:チーム内での会話でも、「(日経ザ・ナレッジの)あの記事は見た?」「見ましたよ~」という会話が多いですよね。読んでほしい部分にハイライトして相手を選んで共有する機能もあります。他のメンバーが保存した情報を自主的に見に行くケースと合わせると、情報収集に緩急をつけられるのがありがたいです。他のメンバーがどんな情報に関心を持ち、何に重きを置いているのかもわかるので、チームビルディングにもつながっていると思います。
石井:新しく入ってきたメンバーの教育ツールとしても使っています。(自動で収集した情報がカテゴリー別に整理されている)バインダーとワークスペースに入っている記事を10本も読めば、そのテーマに関する基礎知識が身に着けられますから。実際、新メンバーのキャッチアップは早いですよ。
個人的には地方新聞などのニッチな情報も収集できる点がありがたいです。バイオ燃料は私の担当テーマですが、地方発の先進的な事例も少なくありません。このような普段なら出会えない情報を知ることで、そこからまた調べたいものが出てきたりして、幅広い取り組みを知るきっかけにもなり、大変助かっています。
小笠原:日経ザ・ナレッジは『日経クロステック』など専門誌の情報も入ってきます。そのため、コンサルタントや他社の担当者との会話で知識レベルの差を感じにくくなりました。
石井:限られた人数で現在のパフォーマンスを出せている理由の一つは間違いなく日経ザ・ナレッジです。情報の幅の広さ、情報収集のスピード感、専門知識の深さ。どれも飛躍的に向上しました。
経営陣を「説得する」のではなく「共感を得る」。
トップ層の意思決定を支援する「参謀役」でありたい
3年間で1人から8名へと陣容が拡大したのは大変なことです。サステナビリティ推進は重要性に対して社内の理解が得にくい分野でもあります。石井さんはどのようにして経営陣を説得されたのでしょうか。
石井:説得をしているつもりはありません。常に「経営陣のアンテナの1つ」という意識で世の中の動きを探り、業界動向や他社の取り組みを参考にして、自社にとって重要度の高いと思うことを適切なタイミングで伝えることを心がけています。そうすることで「理解を得る」「説得する」ではなく「共感を得る」ことができ、経営陣や社内の関係者と同じ方向を向くことができると思っています。
そのようにしてトップ層の意思決定を支援することが、事業企画部の役割の一つである「参謀役」であることなのだと思っています。

日経ザ・ナレッジは今後も進化していく予定です。ご要望があればお聞かせください。
小笠原:3つあります。
1つ目は、海外記事の収集です。サステナビリティ政策は欧州が先行することが多いのですが、記事として上がってくるまでには時間差が生じます。そのため、EUのWebサイトもチェックしています。日経ザ・ナレッジでは国内の官公庁や業界団体のサイトがカバーされていますが、EUのWebサイトも含まれるとさらに助かります。
2つ目は、記事を保存する際に「絶対に読む」と「時間があれば読む」といったと優先度をつけることです。
3つ目は記事の要約です。限られた時間で多くの記事を読むために、生成AIなどを使った要約機能があれば便利です。
石井:私たちの業務遂行に欠かせない武器である日経ザ・ナレッジの進化に期待しています。
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