富山県で創業され2025年で80周年を迎える「建築資材の総合企業」。
建材および素材の開発から製造・販売、施工までシームレスに手掛け、近年は特にアジア・北米での事業拡大にも注力し順調に業容を拡大している。メーカーとしての責任から、資源循環を強く意識したサステナビリティへの取り組みも積極的に進めている。
日経ザ・ナレッジ導入の目的は?
- 情報収集の効率化・時短化を図り、新しいアイディアを生まれやすくしたい
- 部署全体で漏れなく、効果的に情報収集と共有を行いたい
その効果は?
- 新事業開発につながる「近からず遠からず」の情報収集に役立った
- キャリアがまちまちなメンバー間で、情報収集の方法を仕組み化できた
- ミクロ、マクロの情報を網羅的に収集し、視野や考える領域、時間軸が広がった

今回は、開発戦略部 次世代事業開発のご担当者様に、日経ザ・ナレッジの活用方法や効果についてお話をうかがいました。
新事業の「元ネタ探し」、0→1の作業は難しい。
だからこそ、情報収集はきわめて重要
次世代事業開発のミッションはどのようなものでしょうか。
桐ケ谷さん(以下、桐ケ谷):当社の主力事業領域に属さない新しいビジネスを開発することです。既存事業に隣接する領域に染み出していくような形もあれば、飛び地にジャンプすることもあります。
具体的には、最初に新事業のシーズ(種)を着想して、そこから構想を練っていきます。いわば新事業の「元ネタ探し」ですね。
シーズを見つけた後は、具体的なビジネスモデルの検討や製品化、市場投入の可能性を探っていきます。技術的に実現可能か、本当に売れるのかといった点を精査する、この「0→1」段階のPoC検証(Proof of Concept)が難関です。そこをクリアすれば事業化のための経営判断へと移行できます。6人のチームで情報収集からシーズ発掘、PoC検証までを担っており、多くのテーマを同時に走らせることはなかなか難しく、業務の効率化は常に求められています。

桐ケ谷誠 氏
効率的な情報収集と共有を実現。
対話を通じてアイディアを昇華させる
日経ザ・ナレッジを導入することになった経緯について教えてください。
桐ケ谷:導入のきっかけは事業創出のための情報活用セミナーでした。そこで日経ザ・ナレッジを知り、自力で情報を探すのとは根本的に動作が変わると感じました。単に情報を入手するというだけなら、個々に時間をさいてWeb検索すれば出てきます。それが日経ザ・ナレッジを使うと、設定したキーワードに応じて自動で記事をピックアップして、カテゴリー分けをして提示してくれるわけです。これはかなりの省力化、時短化になるので、非常に便利ですね。
もう1点は、部門単位で考えた時に、情報のインプットと共有をスムーズに行えることに価値を感じたからです。常に人の出入りがあり、昨今ではテレワークも導入しているので、物理的な情報の回覧は難しいのです。新事業の開発において情報のインプットは非常に重要ですから、部署全体で漏れなく、効率的に情報の収集と共有ができる方法を確立できればと思っていたところに、日経ザ・ナレッジに出会ったのはタイミングが良かったですね。
実際に導入してみて、どのような感想を持たれましたか?
桐ケ谷:私どもは新事業開発を行っており、既存の事業領域に「近からず遠からず」の業界・領域の情報を拾い上げることが大事です。
既存領域に近すぎると新規性のある事業構想が生まれにくいため、ある程度距離のある領域を狙う必要があります。この「近からず遠からず」にうまく網をかけるキーワード設定は、現在も試行錯誤しながら精度を高めています。
使い勝手の面では、関心のある業界や企業を選択しておくと「業界動向」「新技術」「企業情報」といったカテゴリーに記事が自動分類される点はいいですね。あと、記事をチーム内で共有する機能もよく使っています。記事の気になる部分をハイライトし、自分の考えや、どんなシーズがありそうかなどコメントをつけてメンバーに共有しています。
積極的に活用しているメンバーは、建材業界以外の情報を当社事業と結びつけ、新事業の機会や参入チャンスを探る視点で使っています。記事を読む時に、新事業の切り口を見つけるひらめきや連想を、ゲーム感覚で楽しむといいのかなと思います。
また、「興味マップ」機能では、各人の関心事(頭の中)が見えるのもいいですね。その人の注目しているトピックや思考の方向性がわかります。過去には、各人がピックアップした記事をもとにディスカッションの時間も設けたこともあり、対話を通じてアイディアが深まるため、今後時間をつくってまた実施したいと考えています。

事業構想には「ミクロ」だけでなく
「マクロ」の情報にも目を向けることが重要
日経ザ・ナレッジが役に立っているという実感は、どんなふうに感じられていますか?
桐ケ谷:当事業部のメンバーは、人によってキャリアもまちまちです。背景が異なるメンバーが事業開発を進めるには、情報収集を仕組み化することが重要です。ただ「世の中を注意して見なさい」と伝えるだけでは、受け取り方や実行方法が人それぞれ異なり、新入社員や中途社員にとっては特に難しいものです。そこで、部門として「日経ザ・ナレッジをここでこう使う」と仕組み化できたことは良かったと思います。
情報収集の質と量の観点でも、マクロ・ミクロ両面を網羅できるのは大きなメリットです。他社の新製品情報などのミクロ情報はもちろん、日本の人口動態の変化、都市と地方との経済格差、物流問題といった業界外のマクロ情報や、さらには経済の潮流なども押さえることが事業構想には不可欠なのです。国の政策も重要で、太陽光、再エネルギー関連など、国の予算が投下される分野を的確に把握しておきたいですね。
加えて、日々の業務に追われると近視眼的になりがちですが、メンバー同士で日経ザ・ナレッジの情報を共有し、コメントをし合うことで、考える領域や時間軸が広がったと感じます。
日経ザ・ナレッジの活用で、インプットできる情報量が増えているということでしょうか。
それもありますが、情報の分類がスムーズになった点が大きいです。情報は適切に分類して取捨選択や重みづけをしないと、膨大な量に溺れてしまいます。日経ザ・ナレッジは設定したカテゴリーごとに記事を分類してくれるので、必要な情報に素早くアクセスできます。
特に若手は情報の整理や活用に慣れていないため、日経ザ・ナレッジのようなサービスで情報が分類された状態で提供されると咀嚼しやすくなると思います。この点は非常に効率化になっていますし、結果として新しいアイディアが生まれやすくなるという期待を持って利用しています。
今後、日経ザ・ナレッジに期待することがあれば教えてください。
AIによる記事の要約機能が欲しいですね。記事の冒頭に箇条書きで概要があると、詳細まで読むかべきか判断しやすくなり助かります。
また、新規事業開発の分野ではそれぞれの企業が、競争相手であると同時に共創先となりえる独特の関係性があります。お互いに「産みの苦しみ」を共有できる仲間意識があり、オープンイノベーションを進めやすい。そのため、日経ザ・ナレッジを活用している企業同士で活用事例を共有する場を設けてもらえると非常にありがたいです。
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