1915年の創業以来、100年以上にわたり化学によって社会に貢献すべく、独自の技術や製品を開発してきたデンカ株式会社。その中でも「ライフイノベーション部門」は、インフルエンザワクチンや検査試薬を開発、製品化することで、世界の人々のQOL向上に取り組んでいます。
NIKKEI The KNOWLEDGE 導入の目的は?
・研究者にとってどうしても後回しになる情報収集を広く、効率的に行いたい
・課題解決のための情報だけでなく、発想を広げる周辺情報も収集したい
その効果は?
→後回しになりがちなチームの情報収集が習慣化した
→情報としてリーチできていなかった企業や競合の動きを知ることができた
→読んだ記事をきっかけに雑談が始まり、コミュニケーションツールとしても活用できた
今回はワクチン・バイオ研究部のメンバーお二人に、研究開発分野で働く研究者が情報収集において抱える課題、NIKKEI The KNOWLEDGEの導入経緯や活用方法についてお尋ねしました。
実験に没頭していると、情報収集はどうしても後回しに
御社の新事業開発が担う役割についてお聞かせください。
中田さん(以下、敬称略):
私たちの部署は、インフルエンザをメインターゲットにワクチン開発をしています。
ご存じのように、インフルエンザのワクチン自体はすでにあるものですが、チームごとに様々なモダリティ(医薬品開発の基盤技術の方法・手段、もしくはそれに基づく医薬品の分類のこと)を使って、より安全で効果が高いワクチンの開発を目指しています。
私自身も新たなモダリティを使った抗原を作り、その効果を既存のワクチンと比較・評価しており、1日の大半は実験室で過ごしています。
NIKKEI The KNOWLEDGEを導入した時期ときっかけについて教えてください。
中田:NIKKEI The KNOWLEDGEとの出会いは、個人宛にチラシが送られてきたのがきっかけでした。そのときの私は、研究員という職業柄、実験室にこもって作業していたため、情報収集の時間がとれないことを課題に感じていました。
研究員として今向き合っているテーマを調べるのはできますが、周辺情報を得るのが苦手でした。また、効率的に情報を入手する手段も整っていない状況でした。上司もチームの情報収集量に課題を感じていました。
例えば、ワクチンも新しいものがどんどん開発されていますし、政府が主導で推進している事業もあります。それらの情報を広く取得していかないと、同業他社の後追いになり、追いつけなくなってしまいます。
限定的な視野では、発想の広がりが行き詰まるという危機感から、400以上の雑誌や新聞の情報が手軽に収集できるNIKKEI The KNOWLEDGEを2022年2月にトライアルで利用し、その後導入しました。
ルールは「1日1記事は読む」、そして「月に1回は共有する」
実際の業務での活用法と効果について教えていただけますか?
中田:現在、NIKKEI The KNOWLEDGE を14名で使っているのですが、トライアル時から2つのルールを決めて活用しています。
1つ目は「最低でも1日1記事読む」、そしてもう1つは「月に1回、読んだ記事の中から1つ他のメンバーに紹介する」というものです。実際に集まって、自分で読んで気になったテーマや参考になった記事と、それを起点として深掘りした情報を2時間程度使って共有する場を設けています。
NIKKEI The KNOWLEDGEに登録しているキーワードは、ターゲットとなる「インフルエンザ」だけではなく「ワクチン」など科学的な広いキーワードも設定しています。さらに、治療薬から他の病気に対するものまで、大学での学術研究や行政の記事も収集し、情報を広くとることで、その技術をワクチンに応用できないかに役立てています。
現在のキーワードは上司が設定しており、知っておいて欲しい上司の目線が反映されています。上司の知識量についていけるよう、広く情報を取得するとっかかりとして利用し始めましたが、記事を起点に深く調べることが習慣化されたことも良かったです。
宮嶋:私は部署のメインテーマであるワクチン開発に限らず、バイオ分野における新しい技術についても広く調べています。自分が気になっていても追えていなかったNIKKEI The KNOWLEDGEの記事を、他のメンバーが深掘りして共有してくれるので、知見を深めるのにも役立ちます。逆に、研究に関係するテーマ、他のメンバーが知っておいた方が良いと思える情報は自分からも共有しています。
中田:メンバーが様々なテーマを持っているので、他のメンバーが見ている記事を読んでいくと、より視野が広がって自分だけではたどり着けなかった情報も得られます。NIKKEI The KNOWLEDGEはチームメンバーがどのようなテーマに興味を持っているかが可視化されるので重宝しています。
見えないところで絶大な効果が生まれている
中田:NIKKEI The KNOWLEDGEが毎日の研究開発業務に直結することは、それほど多くありません。ただ各自が毎日1記事読むことで、例えば、これまで知らなかった機械メーカーを知り、そのメーカーの機器を試すといった動きにつながったり、そういった積み重ねが自分だけでなく部署の研究開発の質の向上につながっていると思います。
NIKKEI The KNOWLEDGE導入前は、論文検索サイトを使って調べたいキーワードを検索したりしていました。ただ、検索結果には関係のない情報もたくさん出てきます。英語の要約を読みながら、自分が知りたい情報ソースにたどり着くのに膨大な時間がかかっていました。
NIKKEI The KNOWLEDGEの導入効果を定量的に計測することは難しいですが、入手できる情報の幅と質が上がったことで、目には見えないところで確実に効果が生まれていると感じます。
お二人は毎日の業務にNIKKEI The KNOWLEDGEによる情報収集をどのように取り入れていますか?
中田:私は一通り仕事が終わって、夕方に休憩がてらNIKKEI The KNOWLEDGEを読むことが多いです。トップページから「あなたへのイチオシ」の記事をまず読んだ上で、キーワードに基づいて表示される記事を読んでいくようにしています。
宮嶋:私は朝、PCを立ち上げてNIKKEI The KNOWLEDGEの記事を読むのを習慣にしています。読んだ記事をテーマに先輩と雑談することもあります。話のネタとしての「ちょっと気になった記事」の雑談から思いがけない発想につながることもあり、それもNIKKEI The KNOWLEDGEの導入効果と言えるかもしれません。
今後、NIKKEI The KNOWLEDGEに期待することがあれば教えてください。
宮嶋:例えば、ある会社の記事を閲覧した場合、その会社の別の記事やプレスリリースをサジェストしてくれると、さらに深掘りしやすいかなと思います。
また、私は「インフルエンザワクチン」をキーワードにした英語論文の検索結果が毎日届くように設定しているのですが、ヒットする分件数が多いため有用な情報を効率よく探すことが難しく感じています。ですから、NIKKEI The KNOWLEDGEでも英語の論文が検索できると良いなと感じています。
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